2016年5月にイランの首都、テヘランへ市場調査に行ってきました。
イランの首都テヘランにはドバイより直行便が出ており、ドバイからは2時間程度で着きます。
入国に際してはビザが必要になります。事前に手配しても良いですが、当日空港で取得することもできるので、ホテルの予約の控えや訪問予定先の招待状やアポイントメントの控えを用意していきます。いずれにせよ手続きは非常に時間がかかるので、空港から出るまで2時間程度はかかると想定しておくと良いでしょう。
ビザ取得にあたって外国人には健康保険に入ることを要求され、空港にて2000円程度支払って保険に入ります。支払方法は米ドルやユーロなどの外貨で払えます。私はUAEディルハムで70支払いました。お釣りはないとのことなので注意が必要です。
ビザの取得費用は国籍によって異なるようで、日本人の場合は70米ドルです。周囲にいた中国人は110米ドル、オーストラリア人は120米ドルでしたが、価格の一覧表はないので、どこの国籍だといくらかは不明です。
イランでは経済制裁の影響によりクレジットカードの利用ができません。同様に現地銀行のATMで現金引き出しやキャッシングはできないため、現金を持参して両替する必要があります。
米ドルやユーロは最も交換レートが良く、スプレッドは1%程度です。アラブ首長国連邦のディルハムもその次にレートが良いです。日本円はあまりレートが良くないことと、市中での両替ができない可能性もあるので、もし訪問するのであれば日本円だけでなく米ドルやユーロを持っていくのが良いでしょう。
現在のレートで10万イランリアルがだいたい400円弱くらいなので、1万円程度を両替すると250万イランリアルになります。したがって数万円分両替すると札束になるので、普段使っている財布には入らないかもしれませんので注意が必要です。私はマネークリップ代わりに文房具のクリップを使いました。最も使用頻度の多い紙幣は10万リアル札です。
空港からテヘラン市街までのタクシーは一律で70万イランリアルです。
市内での移動は距離にもよりますが、20万から30万イランリアル程度です。
市街は非常に人が多く、車も多く走っており、活気にあふれています。路上に乞食やホームレスのような人は見当たりません。治安も良いです。
他のイスラム国家と異なり女性の自由度が高いようで、ヘシャーブと呼ばれる髪を隠すスカーフのようなものはしているものの顔全面を隠している人は少なく、またジーンズなどを履いていたり、おしゃれな格好をしている方も多いです。女性同士が数人で笑いながら歩いていたり、キャリアウーマンと思われる女性がひとりで歩いていたりと、女性の社会進出に対し他のイスラム国家より開放的な印象を受けます。
北部にはきれいなビルもいくつかありますが、建物は古いものが多く、ほとんど廃墟のようなビルも多数あります。不動産の開発余地はまだまだあると思われます。綺麗なビルは銀行のものが多いです。尚、テヘラン証券取引所のビルは古いです。
イラン国民は非常に親日で、日本人だとわかると表情が変わりとても親切になります。
非常に居心地が良いです。ある日タクシーに乗っているとき、「今日は暑いね」と話していたら、「ちょっと待ってろ」と言いアイスを買ってきてごちそうしてくれました。イランのオリジナルアイスとのことで、トルコ風アイスのようにやや粘性が強く、中にナッツが混ざっており、甘いです。
日本人に対する信用度は高く好印象であるため、事業を行う上で非常に優位性があるといえます。
出光佐三をはじめとする過去の事業家や日本政府に感謝しなくてはなりません。
私は証券会社とアポイントがあったため、テヘラン市内の北部にある彼らの本社へ訪問し、イラン市場や投資家の状況を伺ってきました。
経済制裁解除の発表以後、イラン市場に対する外国人投資家の関心は非常に強くなっています。証券会社にも日々問い合わせがあるとのことです。
また、私と話をした方は外国人投資家担当でしたが、彼は日本人投資家と会うのは初めてだと言っていました。現在ではまだ先見性の高い欧米投資家が中心のようで、日本の投資家は機関投資家も含め参入していないようです。
実際にイランに入国し市場調査をした結果、イランのマーケットには大きな成長余力があり、外国からの注目も集まり始めており、今から投資を始めるのは非常に魅力的であるといえます。
現在、当研究所では投資家がイラン市場に投資するスキームのセットアップ中です。
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